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AIR

AIR【31】(終)

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8月7日(月) 「おはよーさん、観鈴。 変わりないか」「お母さん」 だきっ。 「大丈夫や、ずっとそばにいてるで。朝食作ってくるからな、少し離してや。・・・な、お腹空いたやろ。ちゃんと食わなあかんで。今日は外、でかけよな。暑いから、帽子かぶって…

AIR【30】

AIR

・・・ 目覚めは、日ざしの中・・・ いつだって、まぶしくて・・・ そして、優しさの中にあった。 見上げると、彼女の顔。 ・・・みすず。 その腕の中に僕はいた。 「そら・・・。わたしね・・・大好きなひとの夢を見てた・・・。はげまされてた。がんばれ…

AIR【29】

AIR

7月21日(金) 「そら、おはよー」 ・・・・・・。 「あれ? まだ寝てる?」 つんつん。 「そら、朝だよー」 むくっ。 頭をあげる。 が・・・すぐ重くなって、おろす。 「どうしたのかなー。 元気ないな、そら。 調子悪いのかな」 彼女が話しかけてくれ…

AIR【28】

AIR

7月19日(木) 「おはよう、そら」 彼女は笑顔だった。 うれしそうだったので、ぼくもうれしい。 『おはよう』の意味はわからないけど、きっと言うだけでうれしいんだろう。 「今日も元気に過ごそうねー」 肩に乗せてもらう。 「今日は終業式だったね。 明…

AIR【27】

AIR

―AIR編― ・・・。 目ざめは・・・まぶしい。 ひかりの中にいた。 見上げれば・・・そら 真っ白にかがやくそら。 そこにはまだいけない・・・ じめん・・・ あつい・・・ やけるように・・・ どこにもまだいけない・・・ なら、もどらなければ・・・ だが、ど…

AIR【26】

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・・・ 四人で山頂を後にした。 駆け抜けるというわけにはいかなかった。 俺の傷が、にわかに痛みだした。 泥に身を浸しているような、じくじくとした鈍痛が背を這いまわる。 母君の具合も思わしくない。 俺や裏葉が助けを申し出ても、決して手を借りようと…

AIR【25】

AIR

月光が、降りそそいでいた。 名もない森の隅々まで、淡い光が満ちていた。 俺は思い出していた。 蒸し暑い社殿の夜。 神奈がつぶやいた言葉。 ――『逢いたい・・・』 すべてはあの夜からはじまった。 あれからちょうど、一月が過ぎようとしていた。 霊峰高野…

AIR【24】

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社殿を脱出して、十日がたった。 あいかわらず、街道をさけて山中を進んでいた。 暑さは増すばかりだ。 まとまった雨もなく、飲み水を確保するのも一苦労だった。 日中に休息をとり、涼しくなってから月の入りまで行動するようにした。 それでも、旅は順調…

AIR【23】

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・・・・・・ ・・・ 俺が先頭をとり、濡れた下草を掻きわける。 すこしでも通りやすいよう草を左右に開き、ひたすら斜面を下る。 そのあとに神奈が続く。 後尾(しんがり)は裏葉が受け持った。 半刻ほど歩いただろうか。 足下が登り坂にかわった。 社殿があ…

AIR【22】

AIR

―SUMMER編― ・・・。 空からなにかが降ってきた。 そう思った時には、もう避けようがなかった。 ・・・どすっ。 なにか重いものの下敷きになった。 俺は地面に倒れ、そのまま空を仰ぐ羽目になった。 「・・・痛てててっ」 「・・・おぬし、なぜそんなところ…

AIR【21】

AIR

8月10日(木) 夜が明けて、朝になった。 空を見上げても、そこには星の光はなくて・・・。 どこまでも広がる、青い空だけが広がっていた・・・。 それは、とても美しい色をしていたけれど、とても悲しい色で・・・。 でも・・・それでも・・・。 ――『ね…

AIR【20】

AIR

8月6日(日) 翌朝。 「・・・すいません・・・お米・・・焦げちゃいました」 遠野のすまなそうな声が、俺を起こしにきた。 「・・・炊き直しますので・・・もうしばらく待っていてください」 ぺこりと頭を垂れる。 「・・・・・・」 ずびっ。 「・・・?…

AIR【19】

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8月1日(火) ・・・そして翌日。 遠野は、駅前に姿を見せなかった。 一日中待っていたけれど、姿を見せなかった。 ・・・・・・。 「んにゅぅ~・・・美凪こないねぇ・・・」 一人シャボン玉の練習をしながら、みちるが寂しそうに呟く。 「あぁ~、もし…

AIR【18】

AIR

7月29日(土) 朝。 いつものように夏の陽射しと空腹に目を覚ます。 あいかわらずセミの声。 今が朝なのか昼なのか、判断がつかない。 そんな時間。 微睡む時間が横たわっている。 ・・・・・・。 朝食の準備をする。 飯盒を火にかけて、しばらく放置。 …

AIR【17】

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7月26日(木) 駅での生活二日目の朝を迎えた。 目覚めと同時に耳の奥に響く蝉の鳴き声。 これはこれでなかなか辛い物がある。 憎々しいまでに青い空を見上げながら伸びをした。 歯を磨き、顔を洗って出かける準備を整える。 「さてと・・・」 まず向か…

AIR【16】

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~7月24日(月)の途中から~ 小さく息を吐いて、風に身をさらす。 変わらない潮の香りが、輪郭も持たずに辺りを漂っていた。 「さてと・・・」 肩の荷物を背負いなおして、海に背を向ける。 「・・・・・・」「!?」「・・・・・・」 き・・・気づかな…

AIR【15】

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―DREAM編 遠野美凪― ~7月21日(金)の途中から~ 赤から藍へと色を変え始めた空の下。 どこからともなく、小さなシャボン玉が漂ってきた。 「かわいい、にははっ」 観鈴はうれしそうに、漂ってきたシャボン玉に指先をのばす。 ふわ・・・。 「あれ?」 …

AIR【14】

AIR

8月2日(水) 朝になっていた。 眠れなかった。 長い時間、俺は薄闇だけを見つめ続けた。 セミの鳴き声が聞こえだした。 ソファーの上で大きく伸びをしてから、一日を始めた。 ・・・・・・。 ・・・。 モップを取り出し、いつもそうしていたように床を磨…

AIR【13】

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7月30日(日) 目が覚めた。 地面がやけに柔らかい。 ソファーの上だと気づいた。 ブラインドの隙間から差し込む、真っ白な遮光。 コチコチという壁時計の音。 低く唸るクーラーの音。 霧島診療所の待合室だった。 「・・・・・・」 寝場所を借りたこと…

AIR【12】

AIR

7月27日(木) ・・・・・・。 ばたっ。 人形が路上に倒れた。 「・・・・・・」 ばたっ。 俺も路上に倒れてみる。 頬が熱い。 首筋も熱い。 空っぽの腹も熱い。 このままでは行き倒れてしまいそうだった。 「・・・あ~っ、行き倒れだぁ。診療所まであ…

AIR【11】

AIR

7月25日(火) 朝。 目覚めると同時に、透明な青空が視界を被った。 眩しい。 目を細めて、辺りを見回してみる。 ・・・・・・。 ・・・。 間違いない。 ここは、もう観鈴の家じゃない。 久しぶりに、一人きりの朝。 眼を擦りながら身を起こし、肺に空気…

AIR【10】

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~7月23日(日)の途中から~ ・・・。 俺は商店街の霧島診療所の中に入った。 「・・・涼しい」 エアコンの風が、そよそよと頬を撫でる。 (しかも楽ちんだ・・・) どかっと、窓際のソファに体を沈める。 (人形劇用のステージまであるぞ・・・) 脇の…

AIR【9】

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―DREAM編 霧島佳乃― ~7月20日(木)の途中から~ ――― ばっしゃ~~~~~~~~~~っ! ・・・・・・。 俺は辺りを見回した。 頭上には真っ青な空。 左右にはなだらかな緑の土手。 頭をさすると、大きなこぶがある。 そして、全身水浸しだった。 「何し…

AIR【8】

AIR

7月27日(木) 目覚める。 ほこりっぽい天井があった。 昨夜は納屋で寝ることにしたんだった。 何となく、家に戻りづらかったせいだ。 相変わらず朝からセミの音がうるさい。 観鈴はちゃんと眠っているだろうか。 上体を起こす。 言葉を思い出した。 ――『…

AIR【7】

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7月24日(月) ・・・ 「もしかしたら、わたし、昔は空を飛べたのかなぁ。ずっと、この空にいるの」 いつもの通学路で、観鈴はそう言った。 「おまえはいつも能天気だな。もしかしたら、夕べも夢を見たのか?」「見たよ。 すごく気持ちよく飛んでた」 ・…

AIR【6】

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7月23日(日) ――「おはよーっ」 大量の洗濯物が、寝ぼけ眼をこする俺に向けて、挨拶をした。 それはそのままぱたぱたと駆けていった。 ・・・観鈴だった。 (そういえば、今日は日曜だったな・・・) 一週間、溜まりに溜まった洗濯物を朝のうちに片づけ…

AIR【5】

AIR

7月22日(土) 翌朝。 いつものように、俺と観鈴は肩を並べて学校を目指す。 だが、この日は他に寄るところがあった。 女の子の家の前で、俺と観鈴は待っていた。 「時間、大丈夫か」「うん、もうちょっとだけ」 観鈴はずっと、ナマケモノのぬいぐるみを…

AIR【4】

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7月21日(金)目覚めると、眼前に猿の顔があった。 「おわっ・・・・・・と、おまえか」 ナマケモノのぬいぐるみだった。 夕べの晴子とのやり取りを思い出して、朝っぱらからブルーが入る。 「俺はこいつを買い取るために、金を稼がねばならないのか・・…

AIR【3】

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7月20日(木) ・・・。 目覚めは健やか。 案外、納屋のような窮屈なところのほうが寝慣れているのかもしれない。 「ふんっ」 俺は道ばたで、朝の体操を始める。 野宿が続いていた頃は、こういう習慣があったのを思い出す。 そして、目の前に置いてあった…

AIR【2】

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7月19日(水) 「・・・・・・」 寝起きはいつになく最悪だった。 「頭が痛い・・・」 少しでも動かすと、がんがんする。 「二日酔いとかいうやつか・・・。 このまま寝てよう・・・」 「わーっ!」 がんがんがん! 叫び声が頭に響く・・・。 (・・・一…