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ゲームまるごと文字起こし

車輪の国、悠久の少年少女 大番外編 森田の夏休み

 

当ブログは、私個人の趣味でゲームを"ほぼ全文"文字起こししています。

ローマ字入力・かな入力・親指シフト等、タイピング練習も兼ねています。

※誤字・脱字が多々あるかと思われます。 【○少女 ✕処女 etc...】

最初の頃は頑張ってひとりで校正をしていましたが、横着な性格のせいで挫折。

その時間をゲームに充てたいので止めました。(開き直り)

これは趣味であって、お金貰ってるライターさんのお仕事とかじゃないのだぜ!

もし、このブログ?を読んで面白いと思った方は、そのゲームを購入してプレイしましょう。

ゲームは自分でやった方が楽しいよね!

 

 

 

 

 

車輪の国、悠久の少年少女 ―大番外編― 休み

 

 

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・・・。

 

『やっと・・・。
やっとたどり着いたわ・・・。
特別高等人の試験は哲人科挙とよばれるほどの狭き門。
が・・・!
遅刻せずにたどりついた最終試験は、いわば地獄の幕開けだった!』

 

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「あんたも知ってのとおりだぜ!」

『生意気なライバル!』

 

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「謝るな」

『襲い来る数々の暴力!』

 

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「あたしだってわかってるって! こんな自分がダメなことくらいさぁ!」

『ぐずぐずと!』


「どうすれば、いいのかな・・・?
どうすれば、みんなが悲しまずにすむのかな?」

『うじうじと!』


「一人に、してほしいんです・・・」

『未来に絶望した少女たち!』


・・・。


『そして・・・!』

 

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「くっ、ふふふふ、はははっ、ふはははははーーーッ!」

『最凶の指導教官・法月将臣!
常軌を逸した苦難に襲われる私・南雲えり!!!
どうする、えりっ――――!?
どうなる、南雲えりぃぃぃっ――――!?』


・・・・・・。


・・・。

 

 

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「やっとなれたわ、特別高等人。
試験も終了。 いやあ、いろいろあったけど大変だったわあ」
「一瞬で思い出話に!?」
「なに言ってるの、賢一くん?
試験は全部終わって、なにもかもが丸く収まったじゃないの」
「え? あ、そうだっけ?」

 

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「そうよ、賢一くん」
「ていうか、あんたに賢一くんとか呼ばれる仲だっけ?」

 

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「あんたってなによ。 私たち恋人同士でしょう?」
「うそぉっ!?」
「嘘じゃないわよ」
「ぜんぜんそんな覚えないぞ!」

 

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「さ、エッチなことしましょう」
「ちょ、ちょっと待てバカ!」
「どうして? 私たち、ようやく結ばれるわけじゃない?」
「ようやく、っていうか、とても唐突なんだけど?」

 

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「覚えてないの? もしかして記憶喪失?」
「・・・え?」
「思い出した?」
「いや待てって」

 

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「なんでよ?」
「展開早いって」
「いっしょに苦難をともにしたじゃない?」
「例えば?」
「例えばって・・・ほら、あったでしょう?
賢一くんが法月先生にボコボコに殴られたときとか・・・」
「え?」
「私、いつも賢一くんといっしょにいわたよ?」
「そうだったか・・・?」
「そうよ。 ほら、これで思い出さない?」

 

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「・・・・・・」

 

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「ね?」
「ちょっと、なにいまのコラ」
「ね?」
「ね、じゃねーよ」
「しょうがないわね、これで思い出さない?」

 

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「洞窟探検、大変だったわね」
「ちょっと、南雲さん浮いてる浮いてる・・・!!!」
「そうね、危なかったわね」
「おかしいから!」
「でも、最後はハッピーエンドだったわよね?」


・・・。

 

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「よく登りきったわね」
「ちょっとちょっと、なんでえりさんもとっつぁんと一緒になっておれを待ち構えてんだよ」
「えりさん?」
「え?」

 

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「よかった、ちょっとだけ記憶が戻ったのね?」
「いや、どうだか・・・」
「さあ、愛を確かめあいましょう?」
「だから、はええって!」

 

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「どうしてよ?」
「いや、あの、なんていうのかな、えりさん・・・」
「え?」
「たいした交流もなくいきなり、その、い、いやらしいことするってのはどうなんですかね?」
「たいした交流って?」
「いやほら、そういうコトにいたる過程とか大事でしょう?」
「ああ、好きになった理由とか?」
「そうそう、惚れられる理由とか」

 

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「つらいときにいつも一緒にいてくれた、みたいな?」
「そうそう」
「強気なあの子のちょっとしたデレを見せられたときとか?」
「まあ、そう」
「一緒にアンティーク喫茶を盛り上げて、彼女の笑顔になんとなく、なんとかなりそうな気がしてしまうとか?」
「そうそう、その辺にしといてね、怒られるから」
「そういう過程って、少し時間がかかるわね?」
「そうだよ、時間が必要なんだよ。
そうじゃないと、ほら、感情移入とかできないだろう?」
「とはいっても、賢一くんとは試験で四ヶ月くらいずっといっしょだったじゃない?」
「いやだから覚えがないんだってば」
「しょうがないわね・・・ならまた四ヶ月待つわ・・・」


・・・・・・。

 

――そうして月日が流れた。

 

 

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一ヶ月。

 

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二ヶ月。

 

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三ヶ月。

 

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四ヶ月。

 

・・・。

 

 

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「さ、四ヶ月たったわね。 準備はいい?」
「こらこら、わけわかんねーだろうが」
「うるさいわね、ぶっ殺すわよ!?」
「は?」

 

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「ぶっ殺すわよっての。
これ聞こえてるの? 聞こえてないの?
ねえ、賢一くんにだけ聞こえてるって本当なの?」
「・・・・・・」
「なに黙ってるのよ?」
「いや、それは、ホラーというか、とくに意味はないというか、やっちゃったというか・・・」
「まったく、紛らわしいからやめてよね」
「はい・・・」

 

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「さ、そろそろお待ちかねのピンクタイムよね?」
「なんでだよ。 ちょっと落ち着けって」
「なによ、じゃあどうすればいいの?」
「いや、だって・・・」
「煮えきらないのね・・・あ!」
「え?」
「思い出したわ。 私、あなたと過去に重要な接点があったのよ」
「またそんな無理やりいい関係にしようとする・・・」
「本当よ。 忘れたの? 私たち、孤児院でいっしょだったじゃない?」
「いや、たしかにおれは五歳くらいまで施設にいたけどさ・・・」
「懐かしいわね」
「そう言われてもなあ・・・」
「東京は、いまも眠らない町なのかしらね」
「いまなんて言った!?」
「え?」
「さらっと流すところだったけど、えりさん、今すごいまずいこと言った!」

 

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「言ったっけ?」
「思い出して」
「私、あなたと過去に重要な接点があったのよ・・・って?」
「違う、もうちょっとあと」
「懐かしいわね・・・って?」
「そう、そのあと!」
「そんなことよりクワガタの話しようぜ・・・って?」
「こらこら、また怒られるだろ」
「東京が、まずいの? どうして?」
「・・・・・・」
「なに黙ってるのよ?」
「いや、それは、ホラーというか、とくに意味はないというか、やっちゃったというか・・・」
「まったく、紛らわしいからやめてよね」
「はい・・・」

 

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「さ、いいかげん、もう我慢できない学園ラブエッチストーリーじゃない?」
「わけわかんねえけど、とりあえず理性を保て」
「どうして? 私たち、試験に合格したのよ?」
「合格?」
「そうよ。 ハッピーエンドなんだから、もういいじゃないの?」
「ちょっと待って。 合格したってことは、おれは特別高等人ってこと?」

 

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「ハッピーエンドでしょ?」
「もろバッドじゃん!

ていうか、みんなは? なっちゃんとか、さちとか灯花とか!?」
「みんな死んだわ」
「もろバッドじゃん!」
「嘘よ。 でも、私の前で他の女の子の名前を出したら許さないわ」
「またそんな無理やり自分のキャラを立てようとする・・・」
「なんにしても私たちは特別高等人なんだから、これから力をあわせてがんばっていきましょうね」
「そういえば、バッジは?」
「バッジ?」
「ほら、特別高等人の金バッジ」
「ああ、向日葵に霜が降りているあのバッジね。
あれって弁護士であり検事であるっていう意味があるのよ」
「そんな退屈な設定があったんだ」
「バッジがどうかしたの?」
「いや、おれたち持ってないじゃん」
「捨てたもの」
「は?」
「もはやお前に教えることは何もないって」
「え?」

 

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「だから、捨てたのよ。
もっとも、立場上すぐにまた胸につけるハメになったみたいだけれどね、あの人は」
「・・・とっつぁんのこと?」
「そう。 自分のバッジだったのよ」
「ふーん」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「さ、そろそろ私に心を奪われてきたころじゃない?」
「ええっ!?
なんだかえりさんのペースに巻き込まれているような気がする・・・」
「だんだんグッっと来てるんじゃないの?」
「・・・うーん、こうやって会話してみると、えりさんも生きててよかったなあって思えてきたよ」

 

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「そうでしょう? この勢いで車輪2の主役になっちゃうわ」
「ていうか、微妙にお姉ちゃんとキャラかぶってんだよなあ・・・」
「ちょっと車輪2の話を無視しないで」
「だから死んだんじゃねえかなあ・・・」
「え? キャラかぶっているっていう理由だけで消されたなんて許せないわ」
「いや、そのマフラーとか、ちょっとイマイチだし・・・」
「いや、あのね・・・みんな勘違いしてるみたいだから言っておくけど、これって、マフラーじゃなくてスカーフなのよ」
「え? そうなの? みんなマフラーだと思ってるよ?」
「それが違うのよ。
ていうかなんで真夏にマフラー巻いてんのよ、どこぞの改造人間じゃあるまいし」
トリビアだ、トリビア

 

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「それから、この穴あきジーンズもヴィンテージのレア物なのよ」
「そんな退屈な設定があったんだ」
「退屈じゃない! オシャレっていう設定だったの!」
「でもほら、えりさんって、天才なんだよね」
「そういう天才がいきなり死ぬことで、これから始まる試験の厳しさ、ひいては法月先生の人物像を間接的に表現して、なおかつちょっと話題になるんじゃないかなー、という計算があったみたいね」
「計算で作られたんだ。 やっぱ改造人間じゃん」
「まあ、そういった諸所の狙いは、いまいちスベったみたいだけど」
「ふーん」
「ふーん、て」
「さ、そろそろ夏休みも終わりだなー」
「ちょっと、ボケとツッコミが逆になってきてない?」
「いや、いろいろやってもらおうと思って」
「誰に?」
「察してよ。 2ワードしかなかったんだから」
「わけわからないこと言ってると極刑に処すわよ」
「ちょっとちょっと、そんなことしたら、極刑を受けた人間が二人になっちゃうじゃないの」
「え? 二人?」
「そう、お姉ちゃんと、あともう一人・・・」
「ああ・・・」
「あれって、けっきょく誰だったの?」
「そうね、紛らわしかったけど、正解は・・・」
「正解は?」
「私よ」
「えりさん!?」
「いや、さすがにそれは無理があるか」
「おいおい、そういう浅いパンチやめてよ」
「失礼ね。 正解は、大音さんよ」
「え? 京子さん?」
「・・・・・・」
「ごめん、渚か」
「そっちか!」
「そっちかっていうツッコミもどうかと思うけど、いいかげんわかんない人はわけわかんなく
なってるだろうから、この辺で正解を、どうぞ!」
「だから、大音灯花ちゃんよ」
「解説を」
「灯花ちゃんが、璃々子さんの服を着て、校舎を歩いていたところを、治安維持警察に見られ
たという筋よ」
「なるほどー・・・って、わかりずれえなー」

 

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「さ、これでだいたいすっきりしたかしら?」
「うーん・・・。
そういえば、さっきへんなこと言ったよね?」
「ぎひいぃいぃっ、ら、らめーっ! 赤ちゃんできりゅーっ・・・て?」
「ちょっとちょっと、なんでいきなり陵辱されてるの?
それも、すんごいおどろおどろしいヤツに」
「続編にそういうのなくてよかったわ」
「そう、続編。 続編の話」
「ああ、2?」
「ないから」
「は?」
「ないの」
「え? 本当? 私の出番ってこれだけ?」
「申し訳ございませんが」
「ええええっーーーー!?」
「さ、そろそろ夏休みも終わりだなー」
「ああ、本当に終わってしまうのね・・・」
「けっきょく、これって夢オチなわけでしょ?」
「そ、そんなことないわよ、これから真エンドが展開されるわけよ」
「もう限界だし、じゃあね・・・」
「え? 限界?」
「・・・・・・」
「ちょっと、黙ってないでなんとか言いなさいよ」
「・・・・・・」

 

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「え? あれ? ちょ、ちょっと・・・。
うそ、消えて・・・。 うわやだ、これ、実は幽霊だった、みたいなオチだ。
も、物悲しい・・・や、やだよ、こんな物悲しい終わり方・・・。
車輪の国の正真正銘のトゥルーエンドが、こんな物悲しい終わり方だなんて・・・。
ひどい、ひどすぎるよ・・・正真正銘のトゥルーエンドなのに・・・」


・・・。

 

 

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「え? 一人芝居?」
「うわっ! どこ行ってたの!?」
「ちょっとトイレ」
「ああ、限界って、我慢の限界だったのね、トイレの」
「急に一人で騒ぎだすからびっくりしたよ。 劇団ひ○りかと思った」
「まったく、急に一人にしないでよ」
「ごめん」
「でも、ま。 これでそろそろ準備はいいんじゃないかしら?」
「なにが?」
「だって、だいぶ交流したじゃない?
ほら、いま涙を誘うような別れもあったじゃないの?」
「えぇえっ!?
まあ、でもえりさんて、ホントお姉ちゃんにちょっと近いな・・・」
「そう? 実は私にも弟がいるのよ」
「へえ・・・まさか、おれに似てんの?」
「ううん・・・」
「え?」
「似ていないわ・・・」
「・・・・・・」
「えりさんは寂しげに目を伏せた。
おれは戸惑った。
それは彼女が初めて見せた顔だった。
うつむき加減のはかない表情。
気づいたときには、おれはえりさんの雪のような肌に手を伸ばしていた・・・」

 

「(・・・どうしてもそういう展開にいきたいみたいだな・・・)」

 

「女心がわからない子ね」
「もしかして、そういうコトに及ばないと、この茶番は永遠に終わらないの?」
「よく気づいたわね」
「・・・なんて逆レイプなんだ」
「どうするの? やるの? やらないの!?」

 

まだだ、まだ終わらんよ・・・!


―――ない、その選択肢はないっ!―――

 

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「ちょっといま、天の声が聞こえなかった?」
「もう・・・グダグダじゃねえか・・・」

 

・・・・・・。

 


・・・。

 

 

 

「・・・えりさん」

 

 

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「あらやだ、目が本気・・・」


見つめあう二人、重なる視線。


「私、ちゃんとデレてあげるから。 リードしてあげるから」
「あ、うん・・・」


・・・・・・。


・・・。


「ふふっ・・・やっぱり、期待してたんでしょ?
これから、どうしてほしい?」


上目使いで見上げてくる仕草も、なかなかにかわいかった。


おれたちはお互いを求め合った・・・。


・・・・・・。


・・・。

 

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・・・。


「・・・ねえ、そろそろ時間じゃない?」
「え? 時間?」
「そう、夢はいつか覚めるでしょ?」
「あ、夢? これって夢だったんだっけ?」
「夢じゃないけれど、夢のようなもの」
「よくわかんないけど、これでお別れってやつなの?」
「そうね・・・」
「そうか・・・短い出会いだったけど、楽しかったよ」
「私も楽しかったわ」
「えりさん・・・」
「じゃあね。 元気でね」
「うん、えりさんも」
「ふふふっ、私のこと忘れないでねっ」
「ああ・・・」
「さようなら・・最後の最後に会えてよかったわ・・・。
私、賢一くんのこと、知ってたのよ」
「・・・そうなんだ」
「一緒に、試験、受けられるとよかったわね」
「・・・・・・」
「本当におめでとう。 あなたなら、私ができなかったこともやってくれそうだわ」
「・・・あ、ありがとう」

 

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「さようなら。
私は向日葵の少女にはなれなかったけれど、天国から賢一くんの活躍を見守ってるわ」
「えりさん・・・」

 

 

 

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「なあんて言うとでも思ったのかぁ! 夢オチじゃねえんだよ!
正真正銘のトゥルーエンドだっつってんだろうが! わははははははっ!
あははははっ! さむー、私、サムー! し、死ぬー、笑い死ぬー!」
「・・・いや、なんていうか・・・。
あの、もう、ホント死んでください」


・・・・・・。


・・・。

 

 

 

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「さあ、賢一!」

 

「けんいちぃ・・・」

 

「ケンちゃんっ!」

 

 

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「いい加減白状なさい」

 

「あ、あれれ」


おれは少しうたたねをしていたようだ。

なにか、とてもいやらしい夢を見て、ありえない人に出会っていたような気がする。


「健、どうかしたの?」
「い、いや・・・」


そうだった。

今日は、みんなで写真を撮るんだったな。

 

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「賢一、ほらほら、最後だよっ!」

「笑って笑って!」

「ぶいだよ、ぶいっ!」


おれは、みんなに従ってカメラの前に立った。

心にひっかかるものがある。

誰かを忘れている。

けれど、もう、なにも思い出せない。

まあ、しかたがないか。

その人のぶんまで、がんばっていくしかない。

おれは軽く頭を振ると、カメラに向かって顔を上げた。

なんだか、いつもよりたくさんの女の子に囲まれているような気がした。

 

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・・・。


END